メールマガジンバックナンバー & 計測コラム
メールマガジンバックナンバー
8号 2002年5月24日発行
小野測器 2002年5月24日発行--------------------------------------------------------------------
ONO SOKKI -- info channel 第8号
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▼お知らせ
○DS-2000データステーションソフトウェアをバージョンアップ
○DG-4140ゲージカウンタを発表
▼製品 サービス
○DG-4140ゲージカウンタ
○KY-3600エンジンデバイス耐久試験装置
▼技術情報
○音響・振動関連規格一覧に日本工業標準技術調査会様へリンク
○音響・振動関連機器システム構成PDFファイルをリニューアル
▼新着カタログ・資料
○FT-1500アドバンストタコメータ
○DS-2000データステーション
○CF-4210A/4220AパーソナルFFTアナライザー
○LA-5120/5111/2111積分型精密・普通騒音計
○VC-2100振動コンパレーター
○KY-3600エンジンデバイス耐久試験装置
▼計測コラム
「音響振動技術セミナー:長松先生の講義より(続編)」
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(お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)
◆◇◆お知らせ◆◇◆
1.DS-2000データステーションソフトウェアをバージョンアップ
無償ダウンロードを実施いたします。
バグ修整や若干の機能アップも含めて,DS2000シリーズのソフトウェ
アをバージョンアップしました。DS-2000シリーズをご使用のお客様
は,お手数をおかけしますが,下記URLからダウンロードしてくだ
さいますよう,お願いいたします。 なお,今回のバージョンアップ
から全てのソフトがWindows95/98/2000/NT/Me に加え、Windows XPで
動作することを確認しております。これに伴い,新規にご購入のお客様
にはWindows XP対応のCD-ROMが付属しております。既にご購入のお客様
で,新たにWidows XPパソコンにインストールしたいなどのご要望がご
ざいましたら,当該CD-ROMと取扱説明書を実費にて販売しておりますの
で,最寄の営業所,代理店にお申し付けください。
既に一度ご登録いただいたお客様にはご面倒をおかけいたしますが、
ダウンロードには再登録が必要となりますので、ご了承ください。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/registration/ds2000_form.htm
2. DG-4140ゲージカウンタ 新製品発表 5月9日
小型 DINサイズのゲージカウンタを発表。多機能な上に、\39,000
という低価格を実現。弊社ゲージセンサーGS-1513A(測定範囲13 mm、
分解能10μm)との組み合わせで今迄の約1/2の価格 \62,000 を実現。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/press/0509_2.htm
◆◇◆製品 サービス◆◇◆
1. DG-4140ゲージカウンタ <新製品>
小型 DIN サイズボディにコンパレーター合否判定出力付、また判定に
連動して液晶バックライトの色が替わり、良/不良の合否判定を作業
者が一目で確認できます。また、ピークホールド機能や乗数設定機能
を内蔵、\39,000 という低価格。用途や使用環境に応じ、弊社リニア
ゲージセンサー20機種と組み合わせ、最適なシステム構築が可能です。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/gage/dg_displayseries.htm
2. KY-3600エンジンデバイス耐久試験装置
エンジンおよび各種デバイスの耐久評価試験専用システム。運転プログ
ラムの簡単設定機能に加え、強化された異常監視機能や、異常発生前
後の運転データを保存するデータフリーズ機能等により長時間の耐久
試験を安全かつスピーディに行うことを可能とします。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/vehicle/ky3600.html
◆◇◆技術情報◆◇◆
1. 音響・振動関連規格一覧に日本工業標準調査会へ→リンク
ISO・IEC・JIS音響振動関連規格の関連一覧表と概要を記述したページ
に日本工業標準調査会(JISC)樣ホームページへのリンクボタンを新
設しました。
JISCホームページは全面リニューアルされ、規格関連の様々な情報が
公開されています(一部6月公開)。その一つとして、JIS規格番号に
対応する詳細情報のPDF形式での閲覧が可能です。
リンクボタンからJISCホームページに入り、<データベース>→<JIS>と
クリックすることで規格番号入力ページが表示されます。当社ページ
で概要をチェックし、対応JIS番号をコピー後、JISCの入力ページで、
規格番号欄に貼りつけて検索を実行するとAcrobatが立ち上がり、詳細
情報がPDF形式で表示されます。(閲覧・保存は可能ですがセキュリテ
ィ設定されているため印刷等は不可なようです)
なお、JISなど文書購入を希望される方のために、当社各規格ページ下
段に日本規格協会樣へのリンクも設けました。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/sound.html
2. 音響・振動関連機器システム構成PDFファイル→リニューアル
音響・振動関連機器とFFTアナライザーを初めとするデータ処理機器との
相互接続を解説する「システム構成例」PDFファイルをリニューアルし
ました。各PDFファイル内の製品イラストには製品ページへリンクして
あり、ワンクリックで詳細情報ページが表示されます。
<音響>
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/sound_relate.htm
<振動>
../../../products/category/vib_relate.htm
◆◇◆新着カタログ・資料◆◇◆
今月はPDF化されたカタログが新規2種と改訂4種。
◆ CF-4210A/4220A FFTアナライザー<音響・振動データ処理関連>
4月改訂、PDFカタログとして初めて掲載。オプションのコンパレ
ータ機能を組み込み、ラインでの合否判定に多くの利用実績を持
つコンパクトFFTアナライザーです。
◆ KY-3600エンジンデバイス耐久試験装置<自動車関連>
4月作成新規カタログ。PDFカタログとして初めて掲載。
■ FT-1500アドバンストタコメータ<回転・トルク関連>
5月改訂の最新版。磁気、振動、音等からFFT演算により回転速度を
計測します。回転パルス検出器が取り付けられない 、回転軸が露
出していない場合、振動センサーなどと組み合わせ測定することが
可能になります。
■ DS-2000データステーション<音響・振動データ処理関連>
4月末改訂の最新版。最終ページにハードオプション仕様一覧を
追加しました。
■ LA-5120/5111/2111 騒音計<音響振動データ処理関連>
4月末改訂の最新版。積分型精密・普通騒音計、オプションに
1/1、1/3オクターブ分析機能、ラウドネス測定機能を用意。
■ VC-2100振動コンパレーター<音響・振動データ処理関連>
4月末改訂の最新版。振動の異常を判定出力します。
「PDFカタログ一覧」のページからご覧いただけます。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/pdftop.html
◆◇◆計測コラム◆◇◆
バックナンバー http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/backcontents.htm
前号の概要
1自由度不減衰のモデルの共振について考えると、
(1)低い周波数では力に応じて重りが一緒に動く。
(2)共振すると、変位振幅が大きくなる。
(3)共振を過ぎると変位振幅は次第に小さくなり最後は動いているか
分からないほど極微少になる。
(4)力のつりあいから
加振力f=Fsinωt (振幅がF、周期ωの調和加振力)
変位x=Xsin(ωt - Φ)
(Xはtに比例し、力とはΦ位相おくれて変位する)
相差Φ=共振前は 0°、共振時は-90°、共振後は-180°
慣性力fm=mω^2・x (ωの2乗と変位に比例する)
復元力fk= - kx (変位とは-180°に作用する)
fm+fk+f=0 (力のつりあい)
力のつり合いの式をωに沿って見ていくと、
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/02.05.24add.htm
(長松先生著「モード解析入門」P47 図2-13 より)
(1)ωが小さいときは
fm=0と近似でき、系にはfkのみがfと逆に発生する。
ここでは静変形と同様にバネが主役を演じ、質量は振動に関与しない。
fkは変位に対する抵抗であり、常にxと逆に作用するから、結果的に
fとxは同方向でΦ=0になる。(力と一緒に動いている)
(2)ωが共振周波数に接近してくると、
fkの方がfmよりわずかに大きいのでΦ=0である。しかしfmはω^2
に比例するのでかなり大きな値になる。fkはfmとほぼ同じ大きさだ
が、fkとfmの差がfでなければならないので、fkも大きくなる必
要があり、結果的に応答振幅xが極めて大きくなる。(何故xが大き
くなるか理解)
(3)ωが共振状態(ω=固有振動数)では
fmとfkの大きさは同じ大きさでお互い逆方向に作用する。系内でfm
とfkが打ち消し合いfに対抗する内力はどこにも存在しなくなる。
系は加振力fに対抗する手段を失い、加振力のなすがままに任せて動
き、振幅が限りなく増大していく。加振力の意のままに動くから、動
く方向すなわち速度の方向(位相)は加振力の方向と一致する。変位
は速度より90°遅れて生じるから、加振力からも90°遅れる。
(fm=fk)
(4)ωが共振を少し通り過ぎた点では
fmの方がfkよりもわずかに大きいので、fmをfk+fが打ち消す形
でつりあう。fkと常に逆向きの応答xはfとも逆になりΦ=−180°
になる。共振を境にして系はもはや加振の速さについて行けなくなり、
応答が遅れるのである。この時にはまだfmとfkはほとんど大きさが
等しいにもかかわらず両者の大きさの差が一定値fでなければならな
い。そこでfmもfkも大変大きく(fmとfkの差が微少のため、fm、
fkが大きくないとfm−fk=fにならない)それら両者に比例する
応答xは極めて大きい。(共振前はfm<fk、共振過ぎるとfm>fk)
(5)ωが共振周波数を過ぎた点では
fmはfkより十分大きくなる。そこで前記と同じ理由でΦ=−180°に
なる。しかしfmとfkの差が一定値fでなければならないことから、
fmとfkの大きさが共にだんだん小さくなる必要があり、xは減少し
てくる。(ωが大きくなるに従いfmは大きくなるべき所、fm−fk
の差分が大きくなっていくのでその差fを一定にするためfm、fkの
大きさは次第に小さくなる)
(6)ωが共振周波数より遥かに大きい周波数では
極めて速い加振である。ωがきわめて大きいにもかかわらず、
fm=mω^2・xは力のつりあいから、fと同程度以上に大きくなっ
ては困るのでx=0 近似になる。この時バネはほとんど変形せず、振
動の主役は質量が演じる。そして系にはfkはなくfmだけが存在して
fを打ち消している。xはfmと同方向であるからfとは逆方向にな
りΦ=−180°である。
これを端的に示したのが質量のみの系で例えば球。球を調和(sin関数)
運動させようとすると常に変位と逆の方向の力を加えておかないと、
そのまま勝手な方向に飛び去ってしまう。質量が主役の系に対しては、
加振力は質量に仕事をし、加速度を発生させるので加振力と加速度は
同方向になる。変位は加速度により常に180°遅れるからΦ=−180°
になる。
振動は自由振動、強制振動、複雑な振動に大別できる。自由振動は外
作用が変化すると必ず発生し、一旦生じれば外からなにもしないでも
自分自身だけで自由勝手に振動し続ける。今まであった加振力が急に
無くなったり、加振力の大きさ、方向、周波数が急に変わったときに
も発生する。すべての振動の元になっている物体の動特性が自由振動
の中にすべて含まれている。自由振動は1自由度系では最初の振幅の
大きさ、振動の速さ、減衰の速さの3つの現象で表される。多自由系
では固有モード、固有振動数、モード減衰比の3つの現象に対応する。
一方動特性は質量、こわさ(剛性)、減衰係数の3種類であり、3と
いう数が基本になっている。
さて、FFTは振動解析に有効といわれていますが、これは頭書に記
しました「運動方程式の解は周期関数でしか解けない。」にあります。
振動は調和振動(例えばsin波形)といわれるほど周期性を持った波動
で、複雑な振動波形もいろいろな周波数を持った調和振動の和として表
され、ちょうどフーリエ級数みたいと思い付かれることと思います。
その様なことからFFTアナライザーとは相性が良いといえます。
インパルスハンマや加振機で物体を加振しFFTアナライザーで周波数
応答を求めることは運動方程式の解、動特性を求めていることであり、
その解は数式でなく数式を数値化、グラフ化して表示してくれ、FFT
アナライザーは優れものといえます。
文字だけの説明ではご理解しにくいかと思います。長松先生の講義は
その他いろいろお話があり、非常にためになりました。
皆様も一度セミナー受講をお勧めします。
参考:減衰を表す係数
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/pdf/damping_facter.pdf
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編集後記
梅雨に入ったように雨の日が続きます。でも何故か熱い、そうです
ワールドカップサッカーの開催がカウンドダウンです。巨人阪神戦も
ゴルフも熱い。この際何もかも忘れて盛り上がってしまいまショーの
勢いで今月、ホームページトップにFLASHムービ(動画)を使ってみ
ました。インターネットエクスプローラブラウザでは問題ないのです
が、ネットスケープブラウザでご覧になっておられる方には申し訳有
りませんが、トップポップアップメニューがFLASHムービの下に表示さ
れてしまいます。次回までにはこの問題をクリアーにすべく努めてお
りますので今回はご容赦ください。
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発行(株)小野測器 http://www.onosokki.co.jp/
お客様相談室 mailto: csonosokki.co.jp
編集責任者 野田 幸治
onosokki.co.jp
Copyright(C), 2001 Ono Sokki Co., Ltd.
許可なく転載することを禁じます。
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