メールマガジンバックナンバー

6号 2002年3月22日発行

小野測器                                                      2002年3月22日発行
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 ONOSOKKI -- info channel                                                                    第6号
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******************** 3月のコンテンツ *******************************
▼お知らせ

 ○春季音響・振動技術セミナー
 ○GS-4500/4600シリーズ リニアゲージセンサーを発売(新製品)

▼製品 サービス

 ○GS-4500/4600シリーズ リニアゲージセンサー(新製品)

▼技術情報

  ○アプリケーションカテゴリーページの新設
  ○よくお受けするご質問と回答ページの拡充
    取扱説明書/簡易操作手順書続々登場
  ○DXF/PDF外観図サービスページ

▼計測コラム
   「音響振動技術セミナー:長松先生の講義より」

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   (お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)

◆◇◆お知らせ◆◇◆

1. 音響・振動技術セミナー
    春季音響・振動技術セミナー、3月14日 &4月12日開催分は定
    員に達しましたので募集を締め切らせていただきました。
    なお、5月24日「騒音測定の基礎」セミナーは今日現在11名様の
    申込をいただいております。
    お申し込み状況はホームページ上でご連絡いたしております。ご参加
    をご検討いただいている皆様、お早めにお申し込みください。

    http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/seminar.htm
    会場:小野測器本社(横浜) 参加費用: \25,000(お一人様)

2. GS-4500/4600シリーズ リニアゲージセンサーを新発表

  3月1日 業界初、耐油性、耐衝撃性を追求し保護構造IP64Gを達成
    したリニアゲージセンサー4機種を発表、販売を開始いたしました。
  (詳細は下記製品 サービスコラムをご覧ください)

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/press/press.htm

◆◇◆製品 サービス◆◇◆

1. GS-4500/4600シリーズ リニアゲージセンサー ◆NEW !!◆
  当社既存リニアゲージセンサーGS-1500/1600シリーズの構造(保護構造
    IP-64:JIS C 0920-1993耐塵・防沫形)をベースに、新たに第3記号
   のIP-xxG(JEM 1030-1983)耐油形を達成することで、ほこり・水・油
   に対する耐環境性を強化。さらに耐振動・耐衝撃性を2倍にアップ
   (当社比)。切削油を使  用する現場で、また製造ライン等の過酷な
   環境下での、寸法・変位計測に威力を発揮します。

    http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/gage/gs_as_bsseries.htm

◆◇◆技術情報◆◇◆

1. アプリケーションカテゴリページ新設
  製品をお使いになる上でのヒントや計測・解析上のKnow-Howを解説す
   るアプリケーションカテゴリページを新設しました。これから毎月順
   次拡張し、将来は製品 サービスカテゴリーページを越える内容と規模を目
   指しています。
  今月は僅か1件と少し寂しいのですが、これからにご期待ください。

  ◆掘削機の回転アンバランス計測 

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/unbalance.htm

2. サポートのFAQページ
   よくお受けするご質問と回答ページの大幅拡充
  今月は取扱説明書6種と簡単操作手順書3種の新規アップ。

   <取扱説明書>
    ◆PA-150絶縁パルス増幅器
      (電磁式/磁電式回転検出器、ロータリエンコーダー)
    ◆CR-1300デジタルカウンタ(ロータリエンコーダー)
    ◆RP-704ローラーエンコーダー(ローラーエンコーダー)
    ◆FV-1100 F/V変換器(F/V変換器)
    ◆FV-1300高速F/V変換器(F/V変換器)

   <簡単操作手順書 他>
   ◆TS-2100トルク計設定手順書(トルク)
   ◆TS-2600トルク計設定手順書(トルク)
   ◆TS-2100/2600トルク計 BCD出力の使い方(トルク)
   ◆TS-2100/2600トルク計FAQ

   ◆DS-2000簡易操作手順書 (6種)
   ◆CF-3000簡易操作手順書 (5種)

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/faq.htm

3. サポートのDXF/PDF外観図ページ
   次の機種を追加しました。設計に御利用ください。

  ◆「回転検出器」カテゴリにMPシリーズ検出器 3機種
   ◆「リニアゲージセンサー」カテゴリに新機種GS-4500/4600シリーズ 4機種

    http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/overallview.htm

◆◇◆計測コラム◆◇◆

先日3月13日開講されました長松先生の音響振動技術セミナーを聴講
しました。皆様にも非常に役立つ有効情報だと思われますので、そのさ
わりをご紹介したいと思います。

長松先生(東京工業大学名誉教授 法政大学機械工学科教授)の30年間
の振動講義の中で一番忘れられない質問は「なぜ振動するか」だそうで
す。数式での説明が一般的になされていますが、数式の意味するところ
を理解して欲しいとのことで次のような説明がありました。

物には、そのままでいたいという基本的な性質があり、力学的には次の
3通りある。

(1)動いている物は動いているまま、止まっているものは止まったま
      ま、そのままの状態でいたいのである。動いたり止まったり状態の変化
     を嫌う。状態の変化とは、力学的には加速度(acceleration)である。
     万物は加速度を嫌い、それに抵抗する。この抵抗力はあるがままの状態
     に慣れる性質によって発生するから慣性力(inertia force) という。
     物が状態に慣れる性質の強さは単位加速度に対する抵抗力の大きさで表
     され質量(mass)と呼ばれる。

(2)形ある物・固体はそのままの形でいたいので、形が変わることを
      嫌う。形の変化は固体内の一点では変位(displacement)になる。すべ
      ての固体は変形を伴う変位を嫌い、それに抵抗する。この抵抗力は元の
      形に戻ろうとするために生じるので、復元力(restorative force)と
      いう。元の形に戻ろうとする性質の強さは単位量の変位に対する抵抗力
      の大きさで表され、これをこわさ(stiffness)あるいは剛性と呼ぶ。

(3)空気、油など流体あるいは流体に接したり囲まれた固体はそのまま
      の位置にいたいので、位置の変化を嫌う。位置の変化は力学的には速度
      (velocity)になる。したがって、流体中の物体は速度を嫌い、それに
      抵抗する。これは流体が粘いと言う性質を有するためで、この粘いため
      に生じる性質の強さは単位速度に対する抵抗力で表され、粘性
      (viscosity)という。粘性による抵抗力を粘性抵抗力(viscouse
      resistance force)、という。

3種類の性質のうちで質量とこわさは、振動を発生させる元になる。
これに反して粘性はすべての振動を抑制する作用をし、振動を減衰させ
て止めてしまう。したがって粘性抵抗力を粘性減衰力(viscous damp-
ing force)ともいう。簡単な例として減衰の無いばね系(1自由度力
学モデル)で振動を考える。

(a)最初の位置(平衡点)にある質量に上方向の外力を加え引っ張る。
    ばねは伸びてこれに抵抗する復元力が下方向に発生し、外力と復元力が
    つりあった状態で質量が静止する。この外力を急に開放すると質点(質
    量が一点に集中したと考えることが出来る点)は下方に動き始める。
    静から動への状態の変化に伴う下方向への加速度の発生に抵抗するため
    慣性力が上方向に生じこれが復元力とつりあう。このように外力を取り
    除いた瞬間に外力と大きさも、方向も同じ慣性力が発生し外力に取って
    変わる。

(b)質点が下方に移動して平衡点に近づくに連れて、復元力は小さくな
    り、それとつりあう慣性力も小さくなり、加速度は減少していく。しか
    しそれまでの加速度は蓄積されて速度に変わり、下方向の速度が増加し
    ていく。平衡点に到達すると、元の形のままでいたいという性質を満足
    するため、復元力はゼロになる。それとつりあう慣性力もゼロであり加
    速度は生じない。

(c)ところが動いたままの状態でいたいという性質を満足している質点
    は、ばねにとって最も好ましい位置である平衡点に止ることはなく、
    最大の速度で等速直線運動をしながら、平衡点を上から下へ通過してい
    く。そうするとばねは縮み始め、それに抵抗する復元力が上向きに生
    じ、それとつりあう慣性力が下向きに生じ、加速度が上向きに発生する。

(d)この上向きの加速度が下向きの速度を消費してブレーキを掛けるた
    め速度は次第に小さくなって行く。しかしそれまでの速度は蓄積され
    変位に変わり、その結果下方向の変位が増加する。そうするとそれに
    抵抗する上向きの復元力が増加し、それとつりあいを保っている下向
    きの慣性力が増大し、慣性力とは常に方向が逆の加速度が上向きに増大
    する。

(e)やがて速度が0になったとき、上向きの復元力、下向きの慣性力が
    共に最大になる。そして質点は、最大の加速度で上向きに動き始め、
    再び平衡点へと帰って行く。

(f)後は初期と上下をひっくり返した同じ現象が推移していく。そして
   平衡点を下から上へ通過し、やがてばねの伸びが最大の点に到達する。

(g)これまでが1周期であり、これが繰り返されて振動となる。

(h)固有振動数は、以上の例のように外部から力を得ないで、慣性力と
    復元力の力の釣り合いを保ちながら自由振動できる周波数であり
    また、エネルギー保存の法則を満たしながら自由振動できる周波数の
    ことである。
    物と振動は切っても切れない関係にあるといえる。

さて、振動は生活の中で人との関係が密接であることは言うまでもあ
りません。また金属疲労などの言葉を聞きますように、物は振動を繰
り返し、長い年月受けると疲労し、かすかな割れが発生します。それ
が進行すると疲労破壊を起こしてしまうなど振動は大切なテーマにな
っています。

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編集後記

立春を過ぎ暖かい日が続いています。花の便りも聞かれるようになり
ました。桜の花が咲いて、期も変われば気分も一新ですね。
ある雑誌の五木寛之氏のインタビュー記事。今不良債権、大失業とか
デフレが深刻に語られているが、戦後の事を考えればこうした問題は
必ず乗り越えられる。だが心の不良債権、精神のデフレの解消は経験
が無いので難しい。それは命が軽い、つまり乾いていること。家庭も
教育も雇用関係も乾式の関係になる。では何を支えにしたら良いか。
それは情報。情は人情とか友情とか情緒とか湿り気を帯びた人の心の
こと、情報というのは心を報ずること。当マガジンも湿り気を帯びた
情報をお伝えしなければ・・・

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        編集責任者   野田 幸治

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