下記のことが考えられます。基本的には測定時間が短すぎますので、長く取るようお願いします。
(1)回転速度の監視方法の違い
回転トラッキング時は、回転を監視しながら、データをサンプリングします。CF−5200では回転をチェックするタイミングが1回転毎になっています。対して、CF−840の場合は、1回転あたり4回のタイミング
となっております。(1回転の入力パルス数により自動的に分周していますが、その分周率によりタイミングは変わります)
今回の回転速度(100r/min程度)で、3秒というのは、約6回転程度の時間となります。従って、タイミングにより今回のような測定点数の差があらわれたと考えられます。
(2)測定可能回転速度範囲
測定可能な回転範囲は
CF−840の仕様では、回転下限は 50 r/min
CF5200の仕様では、回転下限は 20 r/min
となっております。
測定範囲内でデータは有効ですのでご注意ください。また、サンプリング時間の関係から低回転域では回転
速度の変化はゆっくりにする必要が有ります。回転上昇時間が適正化どうかの確認は、次数スペクトルを表示し、回転上昇中の様子をモニターします。スペクトルが崩れた波形になると早すぎると判断してください。
(3)データ点数を多くするには
上記の様にCF5200では、1回転1パルスのタイミングで回転
速度を計算しています。低回転域では、パルス間隔が長くなるので回転速度の変化の認識が遅くなります。1回転当たりのパルス数が多い場合はこの問題を避ける設定方法があり、定幅次数、周波数、オクターブトラッキングの場合に使えます。
操作方法
例えば60P/Rの回転パルスとすると;
TRACKING CONDITION SETメニュー内で1回転たりのパルス数の設定を60にしないで、1に設定します。
N PULSE/R → 1
REVDIVDE FACT → 60
以上の設定で、行なえば、20r/minから200r/min、3秒で60ポイント程度取り込めます。
(4)サンプリングに付いて
サンプリング周波数は次のようになっています。
-
設定次数
: M
-
設定回転パルス数 : P
-
1回転当たりのパルス数
: P0
とすると
1回転当たりサンプリング数=(P0)
÷ P × M × 2.56
P0=60、P=60、M=25とすると
1回転当たりサンプリング数=64
これは、サンプリング定理より分析信号の2倍以上のサンプリング周波数が必要です。CFでは2.56倍にとっています。
分析信号の最高周波数は次数で表すと25次、これを周波数で表すと回転
速度 Rとして 25×R (Hz)、サンプリング周波数は 25×R×2.56=64×Rになります。
RはP0としてCFに取り込まれていますので、自動的にサンプリング周波数を内部で作ることができます。