制御特性評価における周波数応答計測ソフトウェア活用事例

ガルバノスキャナー（ガルバノミラー）とは、レーザー光を反射するミラー走査角度を調整するためのモーターで、高精度な位置センサーを搭載しています。レーザーマーカや顕微鏡、LiDARなど、レーザー光と組み合わせて幅広い用途で使用されています。用途によっては、ミラーを高速かつ高精度に広範囲に走査（スキャン）することが、求められます。そのため、製品開発時は、高速化を実現するために精度の良いシミュレーションを行う必要があり、また、モデルや制御パラメータの最適化が必要です。
また、お客様に安心してご利用して頂くために、出荷前に製品の性能が担保できているか確認する必要があります。
そのためにガルバノスキャナーの制御特性評価やミラーの共振周波数を高精度に簡単に計測し、把握することが課題でした。

DS-5000（FFTアナライザー）の100kHz 4chタイプと周波数特性を計測する専用アプリケーション OS-4100（周波数応答計測ソフトウェア）を用いる事で、3種類の実験を1台で行う事ができました。
今回、導入したポイントは以下の3点です。

①CH数の増設による計測工数の削減
今まで、2chの計測を行っていたが、今回、4chユニットを導入しました。
制御特性を評価する際に基準となる電圧信号に対して、位置センサーの信号およびモーターの電流信号の2種類の信号を同時に計測できます。
位置センサーとモーターの電流値の特性を把握する事でシミュレーションの精度向上や制御の最適化の役に立ちます。

②オート分解能機能による設定の自動化
ミラーの共振周波数を把握する際に共振付近のみ周波数分解能を高くする必要があります。
オート分解能機能を用いることで計測者が設定することなく、共振付近の周波数分解能を自動的に高くできます。
計測者の設定ミスを防ぎます。

③アイソレーション（絶縁）を採用したハードウェアによる安心計測
グランドループ・ノイズ・電位差が発生しやすい対象物でも安易に計測できます。配線ミスによる故障を防ぎます。