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おとくん
「 お父さん、今度買ったプリンターは、前のに比べるとずいぶん静かだね。」
おとうさん
「 あぁ、そうだね。 お父さんもそう思ってた。 電話していてもうるさくないしね。 プリンターだとか、パソコンのハードディスクとかの電子機器の騒音は、洗濯機や冷蔵庫などの家電と同じように低騒音化が進んできたね。」
おとくん
「 家電や電子機器を作っている会社は、機器から発生する音を静かにするために、いろんな対策をしてるんだろうね。 」
おとうさん
「 そうなんだ。 騒音を下げるには、モータや機構部などの起振源の振動を小さくるすることと、その振動が伝達する経路で振動を伝わりにくくすること、また振動が音になって放射する部品の振動を抑えることなど、様々な対策を施してるんだよ。 」おとくん
「 へえー、騒音を下げるにも様々な手段があるんだね。」
おとうさん
「 そうだね。 そうやって、騒音を下げることで、 "静音性能" という品質を確保しているんだね。 機能の多さや性能の高さを追求するだけではないということだね。 」
おとくん
「 そうか、折角いろんな機能があって、高性能なマシーンでも、音がうるさいとそれだけで製品の品質を落としてしまうんだね。 」
おとうさん
「 そうだね。 だから、製品の音の静かさは、ある意味、製品の必要条件になってきている。 でも、逆にそうなると、静音化では他メーカとの差別化が難しくなって、特徴を出せなくなるんだ。 」
おとくん
「 静音化が進むと、逆に音で差別化することが難しくなったということなの? 」
おとうさん
「 静音化は、量的にレベルを下げることである程度実現できるよね。 しかし、各社がそれを目指すと、静音化では差別化できない。 そこで、機器メーカは、音の質的な面で差異をだそうとしているんだ。」
おとくん
「 質的な面? それって音色を作るっていうこと?」
おとうさん
「 そう。 サウンドデザインといって、質的に心地よい音をつくることに挑戦しているんだ。 でも、その数値化が課題なんだ。」
おとくん
「 音の質の数値化? それって、どうすればできるの? 」
おとうさん
「 以前、虫の音で、音の粗い感じが強いコオロギと弱いスズムシを比べたことがあったよね。 」
おとくん
「 うん。オクターブバンド解析では差がでなかったけど、変動音解析では、コオロギの変動音の数値が大きかったんじゃなかったけ? 」
おとうさん
「 そうそう。 周期的に変動する音の変動量の違いで、音質に差が生じたということなんだ。 」
おとくん
「 変動音解析を用いれば、質的な差を抽出できるってことなの?」
おとうさん
「 コオロギやスズムシは、翅脈という細かい凹凸のある羽根を摺りあわせて、音を発生させているんだ。それは、機械的に同じ周期で羽根を動かしているから、その時間周期に特徴づけられた音が鳴るんだよ。」
おとくん
「 時間の周期の違いで、音がふらついた感じになったり、粗い感じがしたりするんだったよね。 」
おとうさん
「 そうだね。 ふらついた感じの指標を変動強度、粗い感じの指標をラフネスといって、それぞれ数値化することが可能なんだ。 でも、それは周期的に変動する音だから、その物理的な特徴にともなって起こる聴覚的感覚を数値化できるわけだね。 その他の音質評価指標のシャープネス(甲高い音)や、トーナリティ (純音成分を含む音)などにも同じことが言えるんだ。 」
おとくん
「 じゃあ、逆に、物理的な特徴で聴覚的感覚を説明できないものには、何があるの? 」
おとうさん
「 うん、その前に、今まであげた音質評価指標は、いずれも一次感覚と定義でされるもので、音の大きさや高さ、変動感や粗さなど、どんな人が聞いてもそれほど大きな差はない。 おとが質問した感覚は、複合的な高次感覚が含まれるもので、例えば、高級な音、艶のある音、ふくよかな音など、物理的に単一数値で表現することは、難しいんだよ。 」
おとくん
「 じゃあ、そういう高次感覚っていわれるものは、どうやって評価したり、サウンドデザインに利用されているの? 」
おとうさん
「 話が難しくなってきたから、この話の続きは、またにしよう。 一つ言えることは、いくつかの主要な音の一次感覚については、物理的な特徴の抽出ができ、音質評価指標として、音の評価や音作りに、すでに利用されていているということ。 ただ、さらに高次の感覚量については、個人差や状況や文脈によって、感じ方や評価が異なるから、条件を明確にした上で、主観評価実験を行うことが必要になるんだ。 主観評価実験の結果と相関の高い物理量、これは、様々な物理量を関数化したものになることが多いんだけど、それらの関係性を明らかにしていくことが必要なんだよ。 」
おとくん
「 うん。 ちょっとむずかしいや。 また、今度噛み砕いて教えてね! 」
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