感度を100倍にし、より使いやすく

古川 裕彦 (1989年入社)

新規事業開拓室 リーダー

入社動機
レーザー製品の回路設計に関わってきたのですが、製品のはじめから終わりまでをプロモートしてみたいと小野測器に入社しました。



大島 良太 (2005年入社)

開発室  リーダー

入社動機
検出器から解析器まで自社で開発している、というところに技術者として興味を持ちました。 小野測器では研究から製品化、量産と最初から最後まで関われることも魅力のひとつです。



微小構造物の振動を非接触で計測するレーザ―ドップラー振動計「LVシリーズ」。 80年代から小野測器を代表する製品として、高いシェアを誇ってきた製品であるが、技術の進歩と共に更なる高機能を求められるようになってきている。 そんな中、6世代目の製品として「LV-1800」がリリースされた。 このベストセラー製品のリニューアル開発の裏側を語ってもらった。 レーザードップラー振動計「LVシリーズ」は非接触で微小構造物の振動を測る計測器で、PC,家電製品のハードディスクやマイクロ圧延分野、医療機器分野などで活用されるものだ。 従来品「LV-1700」に新機能を追加し、新たな主力製品として「LV-1800」を世に出すミッションがもたらされた。



古川 元々感度が高いことが評価され、高いシェアを誇っていた「LVシリーズ」ですが、お客様から「もっと感度を高めてほしい」「ハンドリングを改良してほしい」といったご要望に加え、他社が同様の製品をラインナップしてきている事を考えると更なる競争力が必要になります。 また営業の現場でも直接クライアントや代理店の方から性能の向上や価格についての要望を伺うことも多かったようです。
そういう意味では、ベストセラー製品であっても常にバージョンアップを考えているわけです。今回の改良点はレーザ―を照射して対象物の振幅を計測する検出感度を上げることと、カメラをビルトインすること。それをまずは技術的に可能かどうかを技術部門と打合せをしました。

大島 技術としても検出感度を上げることは課題であり、その中で量産化した場合のコストも考えなければなりません。従来品よりもコストが上がってしまうと、お客様には受け入れていただきにくいですからね。プロジェクト開始時から、検出感度向上は課題であり、研究段階で感度が100倍に上がった時は非常に嬉しかった事を覚えています。企画の要望であった、反射光が少ない対象物でも計測可能となりました。

古川 技術からそういってもらったことはとても心強いですね。量産型のカタログ製品の中に、多様な市場要望をどのレベルまで汲み上げるのかを決めるのが企画の仕事。お客様の生の声やマーケティングデータを元に、機能の向上と量産コストのベストポイントを探し出します。

大島 今回のプロジェクトでは、カメラを内蔵する事に苦労しましたね。製品の機構設計そのものから見直しをしました。

古川 そういった意味ではずいぶん無理を言いましたね。何度も試作品を作ってもらって。

大島 そこには妥協したくないから、本当に何度も設計変更を重ねました。

古川 性能アップはもとより、操作性の向上もお客様の要望に多くありましたから、カメラ内蔵型の新製品はお客様にも受け入れられるという確信がありましたね。

そうして従来製品より、機能、精度、操作性が向上した「LV-1800」は無事、量産化されリリースされた。

古川 お客様の最終製品の品質向上に私たちの計測器の機能向上は欠かせません。そうした現場の声を製品開発の場にきちんとフィードバックすることが良い製品を生み出すことに繋がります。

大島 技術はお客様からどんな要望がきても良いように準備しています。革新的なことはいきなりできることではなく、日頃からアイデアを貯めて引き出しを増やしておくことが重要。「LV-1800」にはその引き出しから多くの事を詰め込むことができたと自負しています。

古川 こうして出来上がった「LV-1800」は、自信を持ってお客様へ提案をすることができます。 より良い製品を生み出す為のヒントは全て現場にあります。お客様の声が次世代の製品に活かされるよう、営業だけでなく、製品開発に携わる人も積極的に現場に出るようにしています。

大島 技術サイドはそうしたお客様や営業からの要望に妥協しないというか、こだわりの完成品を作れるように努力していきたいですね。




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