統計的エネルギー解析手法(SEA)を用いた
食器洗浄機の騒音低減
統計的エネルギー解析手法(SEA)は、モーダル解析においてモードの分離が困難な中・高周波数領域に有効な解析手法です。装置の部位ごとの振動・音のエネルギーの大きさや、装置全体のエネルギーの流れを周波数帯域毎に判断することができ、振動や騒音の低減に役立ちます。
本例では、音響振動シミュレーションソフトウェア FERDINA®(フェルディナ)を用いて、加振実験および実稼動実験により測定した食器洗浄機の放射音と振動のデータを解析した事例を紹介します。
測定システム
解析の流れ
機器構成
型名 | 品名 | 備考 | |
---|---|---|---|
1 | DS-2100 | マルチチャンネルデータステーション | Max 32 ch |
2 | GK-2110 | インパルスハンマ | 超小型タイプ |
3 | NP-3211 | プリアンプ内蔵型加速度検出器 | 超小型・軽量タイプ |
4 | MI-1235 | 1/2インチ計測用マイクロホン | 9本、10 Hz〜20 kHz |
5 | MI-3111 | 同上用プリアンプ | 9ヶ |
6 | DS-0221 | FFT解析ソフトウェア | |
7 | FR-2100/2200 | 音響振動シミュレーションソフトウェア | |
8 | パソコン |
測定データ例
最初に、FERDINA® 上で食器洗浄機を 7 つのサブシステムとして定義し、サブシステム内での損失(内部損失率)や、接続しているサブシステム間のエネルギーの流れやすさ(結合損失率)といった SEA パラメータを計算します。次に、実稼動(水流有り)時のサブシステムのエネルギーの大きさやエネルギーの流れを解析し、さらに、SEA パラメータの変更を検討したところ、サブシステム 3 への対策が騒音低減に効果があることがわかります。
<サブシステムの定義>
応用例
オフィス用レーザープリンタ
自動車用エンジン
自動車のボディ情報技術装置
小野測器では、本アプリケーションによる測定を、音響・振動に精通したコンサルティンググループで承っております。
詳しくはこちらのページを参照ください。
最終更新日:2012/09/18