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おとくん
「うちのマンションの改修工事が始まったね。」
おとうさん
「 ああ、昼間はうるさいだろうね。 」
おとくん
「 今、工事しているところは、うちの住戸からは結構 離れているのに、すぐ近くで工事しているように聞こえるよね !? 」おとうさん
「 それは、音が伝わる速さが速いからね。 」
おとくん
「 えっ。音は 1 秒間に 約 340 m 進むんじゃなかったっけ。」
おとうさん
「 それは、空気中を音が進む場合だよ。 」
おとくん
「 空気以外でも音は伝わるの? 」
おとうさん
「 ずいぶん前になるけど、固体伝搬音と空気伝搬音の話をしたことがあったよね。 」
おとくん
「 ああ、そうか。 コンクリートとかを伝わる音のことを固体伝搬音っていうんだったね。 」
おとうさん
「 そうだね。 その時は説明しなかったかもしれないけど、音が伝わる速さは、空気や水や鉄など媒質によって違うんだ。 」
おとくん
「 そうか。プールの中でも音は聞こえるから、気体だけじゃなくて、液体中も固体中も音は伝わるんだね。そして、その媒質で伝わる速さが違うって、どのぐらい違うの?」
おとうさん
「 この表を見てごらん。」
(表1) (ここにカーソルを載せると絵が出ます)
(表1) (ここにカーソルを載せると絵が出ます)おとくん
「 へぇー。水の中って空気中の4から5倍! 鉄だと15倍ぐらい早いんだ! どうして媒質によって音が伝わる速さが違うの? 」
おとうさん
「 ”体積弾性率” って単語、聞いたことがないと思うけど、音の速さは、その体積弾性率と密度で、こんな式で表せるんだ。 」
@式
おとくん
「体積弾性率? 」
おとうさん
「 空気は弾性体といって、物体に対して外力を加えると変形し、力を除くともとの形に戻る性質がある。だから、一様な圧力を加えると僅かだけど圧縮されてもとの体積より小さくなる。その圧力を p とし、1 m3 当たりの圧縮した体積を e とすると、 p/e が体積弾性率。 」
おとくん
「なんだか難しいけど、加えた力を、その力を加えて縮んだ体積( 1 m3 当たり)で割った数字なんだね。水や鉄も弾性体なの? 」
おとうさん
「ああ、イメージしづらいかもいしれないけどね。 要は体積弾性率は、その数字が大きいと、弾性的な性質が強いということなんだ。 同じ外力を加えても、変化する体積が小さいか、同じ体積の変化をもたらすのに、より大きな外力が必要になる、という場合、体積弾性率は大きくなる。 」
おとくん
「空気と鉄を比べると、空気の方が小さな力で体積変化を起こせるから、体積弾性率が小さいということだね。 」
おとうさん
「そのとおり。 @式をみると、音の速度との関係では、その体積弾性率が分子にあるということは、弾性的な性質が強いほど、音速は速くなる。 空気の体積弾性率は、1.4 x 10 5(Pa:パスカル) で、鉄は、2.2 x 10 11(Pa) で 10 6 もオーダが違うんだ。 」
おとくん
「でも、分母の密度との関係で音の速さは決まるんだよね。 」
おとうさん
「そうだね。 じゃ、密度を比較してみよう。 空気の密度は、1.2 kg/m3で、鉄は、7860 kg/m3 だから、約 6500 倍だね。
@式から、密度は分母だがら、媒質の密度が大きいほど音速は遅くなるけど、おとが言うように、体積弾性率との関係だから、結果として、水は4〜5倍、鉄は、15 倍程度音速が早いということだね。 」
おとくん
「そうか。 だから工事の音もすぐそこで工事しているように聞こえるんだね。 」
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