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おとくん 「 日本人と西洋人とでは音が耳から入ってきたときに処理する脳の場所が違うって本当? 」 おとくん 「 この図を見ると、日本人は、西洋人に比べて、左脳でいろんな音を聞いているんだね。 」 お父さん 「 そうだね。特徴的なことは、母音を左脳で聞いていることなんだ。 もともと角田博士の実験も、言語と非言語を左右の脳のどちらで優勢に受容されるかというテーマでの実験だったんだ。そのときにどんな試験音を用いたかというと、非言語音は、1 kHz の純音、そして、言語音は、人の言葉を代表して持続母音の「アー」という音だったんだ。 」 おとくん 「 その試験音をいろんな国の人に聞かせてどちらの脳で聞いているかを調べたの?」 お父さん 「 そうだよ。脳の活動部位を特定するには、現在ではfMRI(機能的磁気共鳴画像法)といって、 脳の血流の変化から計測できるものがあるけど、当時は、左右どちらの側の脳が音声を処理しているのかを判定する脳幹システムの切替メカニズムを測定するアナログ装置による実験だったようだよ。 この結果の信憑性について疑問を持つ研究者もいたようだけど、脳波とMEG(脳磁図)という手法で、別の研究者によって追実験が行われたんだ。 」 おとくん 「 その結果は、角田博士の結果と同じだったの?」 お父さん 「 母音の刺激に対しては、日本人は左脳、アメリカ人は右脳が活動した結果になって、角田博士の発見を実証することになったんだよ。(参考文献 2) 他にも、こおろぎなど虫の音もおなじ傾向を示したんだ。 」 おとくん 「この図 ( お父さん 「 そうだね。それも特徴的な違いだね。 日本人は、邦楽器をはじめ自然の音などの母音的な構造を持つ音は、すべて言語脳の左脳で受容しているんだ。 寺の鐘の「ゴォーン」も、余韻の部分は母音的な音に聴こえるかもしれないね。 」 おとくん 「 他のアジアの国の人たちや、日本人で海外で育った人たちはどうなの? 」 お父さん 「 この音に対する脳の日本人の特殊性は、今のところ、すべて日本語という言語に起因するといわれてるんだよ。 だから、韓国人や中国人も、西洋人と同じ傾向を示すし、日本人であっても、日本語を母国語としない人は、左右の脳の振り分けは、西洋人と同じということなんだ。 」 おとくん 「 虫の音も日本人は言語脳の左脳で聞くんだね。 」 お父さん 「 虫の音も、日本人は特有の聴き方をしているんだよ。 おとくん 「 日本人は音に対してほかの国の人々と違う感覚を持っているとすると、何か問題になることはないの? 」 お父さん 「 感覚が違うとははっきりと言えないとは思うけど、特に虫の音や、雨の音などの自然音に対しては、音を単純に物理的に扱うのではなく、季節を感じたり、人の気持ちと重ねたり、意味を見出しているところが他の国の人との大きな違いだよね。 これは自然に対峙しないで、自然を取り込む日本の文化にも影響しいているし、日本人は、そのことにもっと自覚的であってもいいかもしれないね。 」
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図1
虫の音のことは、面白い話があるから今度まとめて話してあげるよ。 」