周波数レンジによりデータ長(サンプルデータ 2048点を取り込む時間 T )が変わります。その為周波数レンジを変更すると
FFT するデータ時間が変わり、その分エネルギーが違うということになります。
エネルギーを平均化・規格化するためパワースペクトルを T で割った値、つまり単位時間長 1s
当たり(単位エネルギー)のパワースペクトルを考え、パワースペクトル密度は 1Hz あたりのパワースペクトルとして定義されます。
ランダムな信号では同じ信号でも FFT 分解能(バンド幅に相当する)によってパワースペクトルの値に差が生じます。パワースペクトルの分解能(バンド幅)を
1Hz あたりに規格化して表示することで、周波数レンジによる違いの影響をできるだけ除くことができます。
エネルギースペクトル密度は、パワースペクトル密度にデータ長Tを掛けたものとして定義されます。
ランダム信号では、平均化ということでパワースペクトル密度を利用しますが、衝撃波形などの単発現象では、エネルギーが有限時間ですので、その現象の継続時間を加味したエネルギースペクトル密度が利用されます。
それぞれの関係は次のようになります。データ長(=時間)T、周波数分解能 Δf とすると
・パワースペクトル=2048点の FFT で求めたスペクトル
(各周波数成分の振幅実効値を表示)
・パワースペクトル密度=パワースペクトル ÷ Δf
(単位周波数当たりのパワースペクトルを表示)
・エネルギースペクトル密度=パワースペクトル密度 × T
(単位周波数当たりのエネルギースペクトルを表示)
T= 2048 ÷ 周波数レンジ ÷ 2.56
Δf = 周波数レンジ ÷ 800