ONO SOKKI Co.,LTD

   
パワースペクトル密度とエネルギースペクトル密度に関して

パワースペクトル密度とエネルギースペクトル密度に関するご質問を次表にまとめました。

【質 問】

【回 答】

【関連する取説の章】

1

パワースペクトル1Hz当たりで表示する機能とは

(パワースペクトル密度)

パワースペクトル密度( 略称 PSD )表示機能になります。

ランダム信号状のデータを分析すると、周波数レンジにより分解能が変わるため、周波数レンジを変更するとY軸値が変わってしいます。

1Hzあたりのパワースペクトル(=パワースペクトル密度)で表示すると、分解能の差が改善されその差が小さくなります。

周波数分解能はデータ長2048では周波数レンジの1/800になります。
10kHz、1kHzではそれぞれ12.5Hz、1.25Hzとなります。
厳密には少し違いますが、例えば500Hzのスペクトルを見るとそのスペクトルは12.5Hz、1.25Hzのバンド幅の実効値を表示していますので、10kHzレンジの方が大きい値になります。
PSDで表示する言うことは、スペクトルの値を1/12.5、1/1.25にして表示しますので周波数レンジによるスペクトルの大きさの差は小さくなります。

 

5.8.3パワースペクトル密度/エネルギースペクトル密度

 

2

エネルギースペクトル密度の意味は

周波数レンジによりデータ長(サンプルデータ 2048点を取り込む時間 T )が変わります。その為周波数レンジを変更すると FFT するデータ時間が変わり、その分エネルギーが違うということになります。

エネルギーを平均化・規格化するためパワースペクトルを T で割った値、つまり単位時間長 1s 当たり(単位エネルギー)のパワースペクトルを考え、パワースペクトル密度は 1Hz あたりのパワースペクトルとして定義されます。
ランダムな信号では同じ信号でも FFT 分解能(バンド幅に相当する)によってパワースペクトルの値に差が生じます。パワースペクトルの分解能(バンド幅)を 1Hz あたりに規格化して表示することで、周波数レンジによる違いの影響をできるだけ除くことができます。

エネルギースペクトル密度は、パワースペクトル密度にデータ長Tを掛けたものとして定義されます。
ランダム信号では、平均化ということでパワースペクトル密度を利用しますが、衝撃波形などの単発現象では、エネルギーが有限時間ですので、その現象の継続時間を加味したエネルギースペクトル密度が利用されます。

それぞれの関係は次のようになります。データ長(=時間)T、周波数分解能 Δf とすると

・パワースペクトル=2048点の FFT で求めたスペクトル
   (各周波数成分の振幅実効値を表示)

・パワースペクトル密度=パワースペクトル ÷ Δf
   (単位周波数当たりのパワースペクトルを表示)

・エネルギースペクトル密度=パワースペクトル密度 × T
   (単位周波数当たりのエネルギースペクトルを表示)

 T= 2048 ÷ 周波数レンジ ÷ 2.56
 Δf = 周波数レンジ ÷ 800

5.8.3パワースペクトル密度/エネルギースペクトル密度

3

パワースペクトル密度/エネルギースペクトル密度はウインドウ補正された表示か

ウインドウ関数の補正をして、表示しています。

LIN表示の値を   Aとすると

PSD(LIN)=√(A2÷Wf÷Δf)   

   Wf  : ウインドウ補正  ハニング=3/2
   Δf :  周波数分解能

5.8.3パワースペクトル密度/エネルギースペクトル密度

 

4

パワースペクトルとパワースペクトル密度の使い分けは

ランダム信号、インパルス信号の様に、広い周波数成分を持つ連続スペクトル信号の分析に利用します。

分析する周波数レンジに依存しない表現(分析)にするためです。

参考:
周波数応答関数(伝達関数)では、単位入力エネルギーに規格化されて表現されています。

5.8.3パワースペクトル密度/エネルギースペクトル密度

 

5

パワースペクトル密度より周波数 損失係数を手計算で求めているが自動で求める方法ないか

機能を持っておりません。
周波数応答関数では、機を持っております。

計算の為のデータ読取りの省力法として 

(1)サーチ前後10点のリスト表示。

(2)最大値ー3dBポイントをサーチする。

の機能があります。

6.8.5カーソル前後リスト

6.1.3サーチ機能

 

戻る
お客様相談室 0120-38841  9:00-12:00 13:00-18:00 (土日、祝祭日除く) ご質問・お問い合わせ(フィードバックフォーム)